おいで、アラスカ2

この本は、アンナ・ウオルツ作、野坂悦子訳、フレーベル館2017年刊行の小学校高学年向きのお話です。12歳の少女パーケルと13歳の少年スフェンが主人公の物語で、ふたりをつなぐものとして、一頭のてんかん発作に対応できる介助犬ゴールデンレトリバー、アラスカが登場します。

てんかんという病をもつ少年スフェンは、「いつ、なにが、起こるかわからない」という不安な毎日を送っています。また、少女パーケルには、注意欠陥多動障害(ADHD)の3兄弟がいます。

パーケルも、スフェンも、これらの病気のために、同級生からのいじめにあい、満足に学校に行くことができません。子どもたちの学校生活を送る上での困難さが、赤裸々に描写されています。ところが、ある事件を機会に、友人たちとの溝が埋まります。

新型コロナ、戦争と不安定な社会に生きる少年・少女たちが、未来に向けて力強く歩み出すには、彼ら自身による「きっかけ」が大切です。

2022.7.13.