令和2年における小中高校生の自殺者数は499人で、前年と比較して100人も増加しています。この数年、子どもの自殺者数は過去最悪の数字を更新しつづけています。小中高校生のいずれも増え、特に女子高校生は138人と倍増、コロナ下の長期休校が明けた6月や8月が突出して多かったそうです。(「コロナ禍における児童生徒の自殺等に関する現状について」の文部科学省資料、令和3年5月7日)
国全体の自殺死亡数は年々減少している。
過去10年間の自殺死亡数の推移をみると、総数ではこの間に2万8千人から約2万1千人と7千人近く減少していますが、唯一10歳代のみが増加トレンドにあります。
コロナが流行した令和2年に自殺死亡数が増加したのは10歳代及び20歳代の若者たちで、これまで自殺死亡率が最も高い50歳代や60歳代以上ではコロナ流行下でも下降し続けています。(警察庁:令和3年中における自殺の状況、令和4年3月15日)
コロナ禍での子どもの自殺の増加
コロナ禍での子どもの自殺の増加に関しては、家庭不和や親からの叱責がステイホームやテレワークで悪化したこと、友達と会うなどのストレス対処法が制限されこと、その両方が相まって増加したと考えられます。
友達との接触が極端に減るといった、子どもたちが置かれている状況は、大人が想像している以上にストレスだと改めて認識させられます。
コロナが終息しても増え続けないような対策を
今回のコロナ流行が子どもの自殺をクーズアップさせていますが、元々子どもの自殺だけが増加し続けていた背景にメスを入れ、コロナが終息しても増え続けないような対策をとらねばなりません。