私は、ボール投げやテニスのラケットは左利きですが、日常生活はほとんど右手で行なっています。特段困ることはないのですが、左右を咄嗟に判断することができません。頭の中でじっくり考えないと判然としないのです。
これは、娘の運転する車の助手席に私が座り、地理に不案内な娘に指示していたときの話です。次の信号を左に曲がるようにと指示したところ、娘は、「了解、左ね。」と言いながら、ハンドルを右に切っているのです。私が、自分の言い間違いに気づいて、慌てて「右や。」と言い直したときには対向車線の真ん中まで来ており、そのまま走り抜けました。
普段は厳しい娘が、私を咎めることもなく、「私も、右、左がすぐに判断できないのよ。一緒やね。」と、告白され、びっくりするやら、ホッとしました。
娘も元々左利きで、スプーンを左手に持って食べていましたが、利き手を矯正したことで、日常生活のほとんどを右手で行なうようになっており、彼女が左利きであったことを思い出しました。こんなことに父娘で共感するとは思いもしませんでした。
日本人では9:1くらいの比率で右利きが多いそうです。ドアノブにしろ、ハサミにしろ、右利きに有利なようになっています。左利きを矯正したことで、左右の咄嗟の判断を難しくしたかも知れませんが、社会生活を送る上では良かったと思っています。