緊急事態宣言下でのGW: 胸が痛む兵庫の医療崩壊

今も、自宅前の通りを「不要不急の外出を控えましょう・・・」という兵庫県のキャンペーン・カーが通り抜けて行きました。後輩のドクター達が日夜を分かたず医療に当たっておられる姿を思い浮かべると、気の毒でなりません。

連日の新型コロナウイルス感染症拡大の報道によると、重症患者ですら自宅待機せざるを得ない状況下とのこと、本当に胸が痛みます。

1年以上続く新型コロナウイルス感染症ですが、3月末からの兵庫・大阪での感染拡大は、これまでにない大きな再燃で、まさに災害医療モードです。今回の惨状は、「予告済みの災害」としか言いようがありません。


東京や兵庫・大阪に3度目の緊急事態宣言

政府は4月25日に、東京や兵庫・大阪に3度目の緊急事態宣言を発出しましたが、兵庫・大阪では余りにも遅きに失したようです。関西の危機的状況は政府に伝わらず、中途半端なまんえん防止措置での様子見の間に、急拡大が続きました。漸くピークが見えてきた感はありますが、予断を許しません。

兵庫・大阪と東京の人口10万人あたりに換算した1日感染者数の7日間移動平均を描いてみました。兵庫・大阪では3月下旬から急激に増加しているのが一目でわかります。

緊急事態宣言:1/7-3/21(東京)、1/14-2/28(関西)、まんえん防止:4/5-4/24(関西)、4/12-5/11(首都圏)、緊急事態宣言:4/25-5/11(関西・東京)
データは、日本国内の感染者数(NHKまとめ)による。各都府県の人口は、厚生労働省令和元年(2019)人口動態統計確定数:兵庫県 546万人、大阪府 880万人、東京都 1,392万人。


増え続ける重症患者と死者数

感染者数はピークを迎えても、重症患者と死者数は、今後しばらくは今以上に増え続けること必至です。限られた医療資源を有効活用して、医療破綻を最小限に押さえ込んで欲しいと思います。


医療産業都市神戸への期待

医療産業都市神戸が医療崩壊ではサマになりません。ワクチンも手に入りました。しっかりと情報ネットワーク・システムを活用して、日本の各地に新型コロナウイルス感染症対策の良いモデルを神戸が示してほしいと思います。

2021-5-6