SARSは、2002年11月16日、中国広東省で普通とは異なるタイプの肺炎症例が報告されたことをきっかけに、流行が拡大。2003年7月5日にWHOが終息宣言を出すまで東アジアを中心に32の国と地域へ拡大した。WHOに報告された発症者数は8098例、死亡数は774例で、全体の致死率は9.6%と高い。日本では感染者ゼロであった。原因はコロナウイルスであるSARS – CoVと特定された。
MERS(中東呼吸器症候群)は、2012年にアラビア半島で発生したコロナウイルス感染症で、症例の多くは院内感染、もしくは病院スタッフとその家族など濃厚接触者の周辺で起こっています。MERSは2015年と2018年に韓国でアウトブレイク(局地的、一時的な感染症の流行のこと)を起こしたが、これも中東からの帰国者が発端となった院内感染が中心だった。
ヒトコブラクダがMERSコロナウイルスを保有しており、ヒトコブラクダとの濃厚接触がヒトへの感染リスクであると考えられています。ヒト-ヒト感染の効率は高くないと考えられますが、家族間や医療機関における限定的なヒト-ヒト感染(医療関連感染)も報告されています。
今回のCOVID-19では2月7日付で米国医師会誌『JAMA』に掲載された武漢大学中南病院からの経過報告によると、同大学病院にCOVID-19で入院中の患者138人のうち、40人が医療関係者で、17人がすでに他の病気で入院していた患者でした。およそ4割が院内で感染した可能性があります。https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2761044